理事長挨拶

日本自律訓練学会 理事長 久保 千春

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 自律訓練学会は,1978年設立され,初代理事長は池見酉次郎先生でした。1991年,第2代理事長に佐々木雄二先生がなられ,2009年から私が第3代理事長に就任しております。自律訓練学会は,33年の歴史があります。その間,学会認定自律訓練法指導資格制度が発足したり,JMI記念賞,池見研究奨励賞,独創研究内山記念賞が創設されています。また,機関誌「自律訓練研究」が,年間2号発行されています。学会員は,1200名余りです。


 私が九州大学病院心療内科に入局したのは1973年(昭和48年)で,その時の心療内科の教授は池見酉次郎先生でした。心療内科の治療法の3本柱として,自律訓練法,行動療法,交流分析がありました。入院患者さん全員に,午前・午後の2回15分間,自律訓練法の時間として放送され,入院患者さん全員がベッド上安静にして自律訓練を行っていました。また,入局者には,外来患者さん達に自律訓練法を松原先生たちがされていたのを一緒に行っていました。また夏休みには,研修医のトレーニングとして,毎日自律訓練法の記録日誌をつけることが義務づけられていました。そのような中で,ルーテの自律訓練法の本が翻訳されて出版され,また佐々木雄二先生や池見酉次郎先生の本が一般向けに出されたりしていました。


 1993年(平成5年),私が九州大学心療内科教授に就任当時,自律訓練法は入院や外来の患者さんに適応されていましたが,現在,病棟の関係で入院患者さんへの自律訓練の時間はなくなり,集団自律訓練法を毎週定期的にやられております。九大心療内科では臨床心理班がありますが,臨床心理士の人たちが中心に,自律訓練法を患者さんの治療や学生の教育に使っております。


 研究では,症例報告,自律訓練法が及ぼす生理心理的影響に関する研究,などが行われています。近年,自律訓練法の効果に関するメタ解析が報告されています。アトピー性皮膚炎,気管支喘息,過敏性腸症候群(IBS),頭痛などがあります。このような疾患で自律訓練法は,統制群に比べて,ある程度の効果があることが示されています。今後自律訓練法に関する無作為二重盲検試験(RCT)を行うことで,自律訓練法の効果が明解にされると思われます。


 佐々木雄二先生の後を受けて,自律訓練学会の理事長に就任いたしましたが,自律訓練学会を更に発展させるように努力したいと思います。皆様方のご協力をどうかよろしくお願い申し上げます。